羿のこと
帝堯は善政を行って民の生活を安定させました。
堯の時代、十の太陽が現れました。灼熱のため穀物も草木も焼け焦げ、民は食物がなくなります。
更に猰貐、鑿歯、九嬰、大風、封豨、修蛇といった怪物が現れ、民を害しました。
「猰貐」は窫窳ともいい人を食べる獣でした。
「鑿歯」は歯が牙のように長い獣です。または人だったともいわれています。
「九嬰」は北方の凶水という川に住む九頭の怪物でした。十の太陽が現れ、川が沸騰して住めなくなったため、地上に登って人を食べたそうです。
「大風」は大きな鳥です。はばたくと風を起こしたため、大風とよばれました。とても凶暴だったようです。
「封豨」は大きな猪で、「修蛇」は大蛇です。
堯は民から害を除くため、羿にこれらの猛獣・怪物を退治させました。
凶悪な害が除かれ、万民は喜んで堯の政治に帰順しました。