今回は西漢元帝建昭四年と五年です。 西漢元帝建昭四年 丙戌 前35年 [一] 『漢書・傅常鄭甘陳段伝（巻七十）』と『資治通鑑』からです。 春正月、郅支単于の首が京師に届きました。 甘延寿と陳湯が上書しました「臣が聞くに、天下の大義は統一にあります（天…

今回は西漢元帝建昭三年の続きです。 [三(続き)] 郅支単于が使者を送って漢軍に問いました「漢兵は何をしに来たのだ？」 漢軍が答えました「単于は上書して『困戹（困苦）の地に住んでいるので、強漢に帰計（帰順して計を聴くこと）し、身を(漢に)入れて朝見…

今回は西漢元帝建昭三年です。二回に分けます。 西漢元帝建昭三年 乙酉 前36年 [一] 『漢書・元帝紀』からです。 夏、元帝が令を下し、三輔都尉と大郡（十二万戸以上の郡）の都尉の秩を全て二千石にしました。 『漢書・百官公卿表上』によると、都射の秩は本…

今回で西漢元帝建昭二年が終わります。 [七] 『資治通鑑』からです。 御史中丞・陳咸がしばしば石顕を批判しました。 久しくして、陳咸はかねてから仲が善い槐里令・朱雲に省中（禁中）の語を漏洩したという罪に坐しました。石顕が秘かに陳咸を探って知った…

今回は西漢元帝建昭二年の続きです。 [六] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 元帝が京房に命じて弟子の中で考功・課吏の事（功績を評価して官吏を考課すること）に精通している者を推挙させました。試しに彼等（または考課の制度）を用いようとしま…

今回は西漢元帝建昭二年です。三回に分けます。 西漢元帝建昭二年 甲申 前37年 [一] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、元帝が甘泉を行幸し、泰畤で郊祭を行いました。 三月、元帝が河東を行幸して后土を祀りました。 [二] 『漢書・元帝紀』…

今回は西漢元帝建昭元年です。 西漢元帝建昭元年 癸未 前38年 [一] 『資治通鑑』からです。 春正月戊辰（二十九日）、梁国に隕石が落ちました。 [二] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 三月、元帝が雍を行幸し、五畤を祀りました。 [三] 『漢書・元…

今回は西漢元帝永光五年です。 西漢元帝永光五年 壬午 前39年 [一] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、元帝が甘泉を行幸し、泰畤で郊祭を行いました。 三月、元帝が河東を行幸して后土を祀りました。 [二] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』か…

今回は西漢元帝永光三年と四年です。 西漢元帝永光三年 庚辰 前41年 [一] 『資治通鑑』からです。 春二月、右将軍・馮奉世が西羌討伐から帰還しました。 元帝は馮奉世を左将軍に改め、関内侯の爵位を下賜しました。 『漢書・元帝紀』は「(本年)春、西羌を平…

今回は西漢元帝永光二年の続きです。 [六] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 秋七月、隴西羌（西羌）の傍系の種族に当たる彡姐が叛しました。 元帝が詔を発して丞相・韋玄成等を入宮させ、会議を開きました。 当時は不作が続いており（歳比不登）、…

今回は西漢元帝永光二年です。二回に分けます。 西漢元帝永光二年 己卯 前42年 [一] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 春二月、元帝が詔を発しました「唐・虞（堯・舜）は象刑（衣服等で罪人かどうかわかるようにして辱めること）を用いて（死刑や…

今回で西漢元帝永光元年が終わります。 [十] 『資治通鑑』からです。 琅邪の人・諸葛豊が司隸校尉を勤めていました。 『資治通鑑』胡三省注によると、葛氏は元々琅邪諸県の人でしたが、陽都県に遷りました。移住した人々は以前住んでいた諸県を葛の前につけ…

今回は西漢元帝永光元年の続きです。 [九] 『資治通鑑』からです。 石顕が周堪、張猛等を嫌ってしばしば讒言しました。 劉更生（この時は庶民です）が傾危（危機に陥ること）を恐れて上書しました「臣が聞くに、舜が九官（司空・禹、后稷・棄、司徒・契、作…

今回は西漢元帝永光元年です。三回に分けます。 西漢元帝永光元年 戊寅 前43年 [一] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、元帝が甘泉を行幸して泰畤で郊祭を行いました。 雲陽の囚徒を赦しました。 民に爵一級を、女子百戸ごとに牛酒を、高年…

今回は西漢元帝初元五年です。 西漢元帝初元五年 丁丑 前44年 [一] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、周子南君を周承休侯にしました。諸侯王に次ぐ地位とされます（位次諸侯王）。 『漢書・元帝紀』の注によると、周承休侯は姫延年といいま…

今回は西漢元帝初元三年と四年です。 西漢元帝初元三年 乙亥 前46年 [一] 『漢書・元帝紀』からです。 元帝が令を下し、諸侯王の相の位を郡守の下と定めました。 [二] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 珠厓郡山南県が叛したため、元帝が広く群臣の…

西漢元帝初元二年（前47年）、元帝が珠厓討伐を考えましたが、賈捐之が反対しました。 西漢時代222 元帝(五) 蕭望之の死 前47年(3) 以下、『漢書・厳朱吾丘主父徐厳終王賈伝下（巻六十四下）』（本文と注釈）からです。 元帝初元元年、珠厓が反したため、漢…

今回は西漢元帝初元二年の続きです。 [十] 『資治通鑑』からです。 秋七月己酉（中華書局『白話資治通鑑』は「己酉」を恐らく誤りとしています）、再び地震がありました（地復震）。 『漢書・楚元王伝（巻三十六）』は「冬に再び地震があった（冬地復震）」…

今回は西漢元帝初元二年の続きです。 [三] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 二月丁巳（二十七日）、元帝が弟・劉竟を清河王に立てました。 [四] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 戊午（二十八日）、隴西で地震があり、城郭や屋室(家屋)…

今回は西漢元帝初元二年です。三回に分けます。 西漢元帝初元二年 甲戌 前47年 [一] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、元帝が甘泉に行幸し、泰畤で郊祭を行いました。 雲陽の民に爵一級を、女子には百戸ごとに牛酒を下賜しました。 [二] 『…

今回は西漢元帝初元元年です。 西漢元帝初元元年 癸酉 前48年 [一] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月辛丑(初四日)、孝宣皇帝を杜陵に埋葬しました。 『資治通鑑』胡三省注によると、杜陵は長安の南五十里にあります。 諸侯王、公主、列侯に…

今回から西漢元帝の時代です。 孝元皇帝 宣帝の太子で劉奭といいます。母は共哀許皇后です。 通常、夫人は夫の諡号に従うものなので、「孝宣許皇后」と呼ばれるべきですが、毒殺された事を憐れみ、共哀という諡号が贈られました。「共」は「恭」に通じます。…

今回は西漢宣帝甘露四年と黄龍元年です。 西漢宣帝甘露四年 辛未 前50年 [一] 『漢書・宣帝紀』と『資治通鑑』からです。 広川王・劉海陽には禽獣の行いがあり、不辜（無罪）の者を殺戮しました。 夏、劉海陽が罪に坐して王位を廃され、房陵に遷されました。…

今回は西漢宣帝甘露三年です。 西漢宣帝甘露三年 庚午 前51年 [一] 『漢書・宣帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、宣帝が甘泉を行幸し、泰畤で郊祀しました。 [二] 『漢書・宣帝紀』と『資治通鑑』からです。 匈奴呼韓邪単于・稽侯狦が来朝しました。賛…

今回は西漢宣帝甘露二年です。 西漢宣帝甘露二年 己巳 前52年 [一] 『漢書・宣帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、宣帝が皇子・劉囂を定陶王に立てました。 『漢書・諸侯王表』は「十月乙亥」の事としていますが、『漢書・宣帝紀』は「春正月」としてお…

今回は西漢宣帝甘露元年の続きです。 [四] 『漢書・宣帝紀』と『資治通鑑』からです。 前年、匈奴呼韓邪単于が破れてから、左伊秩訾王が呼韓邪単于と謀り、臣と称して漢に入朝することを勧めました。漢に仕えて救援を求め、それを利用して匈奴を安定させるた…

今回は西漢宣帝甘露元年です。二回に分けます。 西漢宣帝甘露元年 戊辰 前53年 『資治通鑑』胡三省注によると、甘露が降ったため改元しました。 [一] 『漢書・宣帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、宣帝が甘泉を行幸し、泰畤で郊祀しました。 [二] 『資…

今回は西漢宣帝五鳳四年です。 西漢宣帝五鳳四年 丁卯 前54年 [一] 『漢書・宣帝紀』と『資治通鑑』からです。 春、広陵王・劉胥（前年参照）が自殺しました。 『漢書・武五子伝(巻六十三)』によると、宣帝は恩を加えて劉胥の諸子を全て庶人としました。劉胥…

今回は西漢宣帝五鳳三年です。 西漢宣帝五鳳三年 丙寅 前55年 [一] 『漢書・宣帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月癸卯（二十六日）、博陽侯・丙吉（定侯）が死にました。 二月壬辰（中華書局『白話資治通鑑』は「壬辰」を恐らく誤りとしています）、御史…

今回は西漢宣帝五鳳二年です。 西漢宣帝五鳳二年 乙丑 前56年 [一] 『資治通鑑』からです。 春正月、宣帝が甘泉を行幸し、泰畤で郊祀を行いました。 [二] 『漢書・宣帝紀』からです。 三月、宣帝が雍を行幸して五畤を祀りました。 [三] 『漢書・宣帝紀』と『…