2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

第百二回 信陵が蒙驁を敗り、龐煖が劇辛を斬る(中篇)

*今回は『東周列国志』第百二回中編です。 秦王は信陵君が来ないと知って計画の失敗を悟り、心中で激怒しました。 蒙驁が秦王に密奏しました「魏の使者・朱亥は鎚で晋鄙を撃った人物です。魏の勇士なので秦に留めて用いるべきです。」 秦王は朱亥に官職を与…

第百二回 信陵が蒙驁を敗り、龐煖が劇辛を斬る(前篇)

第百二回 華陰道で信陵が蒙驁を敗り、胡盧河で龐煖が劇辛を斬る (華陰道信陵敗蒙驁 胡盧河龐煖斬劇辛) *今回は『東周列国志』第百二回前編です。 顔恩は信陵君に会えず、賓客も協力しないため、成す術がなくなりました。 ちょうどそこに博徒の毛公と売漿(…

第百一回 秦王が周を滅ぼし、廉頗が燕を敗る(四)

*今回は『東周列国志』第百一回その四です。 話はまた秦に戻ります。 秦昭襄王が即位して五十六年が経ちました。年も七十に近づきます。 その年の秋、昭襄王が病を患って死にました。 太子の安国君・柱が即位しました。これを孝文王といいます。趙女(趙姫…

第百一回 秦王が周を滅ぼし、廉頗が燕を敗る(三)

*今回は『東周列国志』第百一回その三です。 話は燕に移ります。 燕昭王が復国してから在位三十三年で恵王に位が伝えられました。その後、恵王は在位七年に死んで武成王に位を伝え、武成王は在位十四年で死んで孝王に位を伝え、孝王は在位三年で死んで燕王…

第百一回 秦王が周を滅ぼし、廉頗が燕を敗る(二)

*今回は『東周列国志』第百一回その二です。 この頃、燕人で蔡澤という者がいました。博学で弁舌の才があり、とても自信を持っていましたが、敝車(粗末な車)で諸侯を巡って遊説を続けても相応しい君主との出会いがありません。 大梁に至った時、人相を観…

第百一回 秦王が周を滅ぼし、廉頗が燕を敗る(一)

第百一回 秦王が周を滅ぼして九鼎を遷し、廉頗が燕を敗って二将を殺す (秦王滅周遷九鼎 廉頗敗燕殺二将) *今回は『東周列国志』第百一回その一です。 秦の鄭安平が兵を率いて魏に降りました。応侯・范雎は薦主(鄭安平を推挙した者)だったため、法に則る…

第百回 魯仲連が秦帝に肯かず、信陵君が符を盗んで趙を救う(後篇)

*今回は『東周列国志』第百回後編です。 信陵君が賓客を率いて士卒より先に進み、秦営を攻撃しました。 王齕は魏兵に不意を突かれ、慌てて抵抗します。 魏兵が勇敢に前進しすると、平原君も城門を開けて呼応しました。一場の大戦で王齕は兵の半分を損ない、…

第百回 魯仲連が秦帝に肯かず、信陵君が符を盗んで趙を救う(中篇)

*今回は『東周列国志』第百回中編です。 新垣衍が去ってから、平原君が再び人を送って鄴下に駐留している魏将・晋鄙に救援を求めました。しかし晋鄙は王命があるため拒否します。 そこで平原君は信陵君・無忌を譴責する書を送りました「勝(私)があなたに…

第百回 魯仲連が秦帝に肯かず、信陵君が符を盗んで趙を救う(前篇)

第百回 魯仲連が秦の帝に肯かず、信陵君が符を盗んで趙を救う (魯仲連不肯帝秦 信陵君竊符救趙) *今回は『東周列国志』第百回前編です。 呂不韋は王孫・異人と共に秦王を辞して咸陽に入りました。 事前にこの事を太子・安国君に報せた者がいたため、安国…

第九十九回 武安君が杜郵で死に、呂不韋が異人を帰らす(四)

*今回は『東周列国志』第九十九回その四です。 呂不韋はかつて邯鄲の美女を娶りました。趙姫といい、歌舞が得意です。趙姫が妊娠して二カ月が経ったと知ると、心中に一計を生じてこう考えました「王孫・異人が国に帰ったら必ず継立の分(王位を継承する名分…

第九十九回 武安君が杜郵で死に、呂不韋が異人を帰らす(三)

*今回は『東周列国志』第九十九回その三です。 呂不韋は更に五百金で奇珍玩好(珍宝玩具)を購入しました。 やがて公孫乾に別れを告げて秦都・咸陽に行きます。 呂不韋は華陽夫人に姉がおり、秦に嫁いでいると知りました。そこでまず姉の家人に賄賂を贈り、…

第九十九回 武安君が杜郵で死に、呂不韋が異人を帰らす(二)

*今回は『東周列国志』第九十九回その二です。 即日、平原君が趙王に別れを告げて陳都(楚都)に向かいました。 楚に入るとまず春申君・黄歇に訪問を伝えます。黄歇は以前から平原君と交流があったため、楚考烈王に伝達しました。 平原君は黎明に入朝しまし…

第九十九回 武安君が杜郵で死に、呂不韋が異人を帰らす(一)

第九十九回 武安君が冤を含んで杜郵で死に、呂不韋が巧計で異人を帰らす (武安君含冤死杜郵 呂不韋巧計帰異人) *今回は『東周列国志』第九十九回その一です。 趙孝成王は趙括の捷報を得て心中で大喜びしましたが、やがて趙軍が長平で困窮していると聞き、…

第九十八回 秦王が魏斉を要求し、長平で白起が趙卒を坑す(四)

*今回は『東周列国志』第九十八回その四です。 范雎が送った門客は邯鄲で詳しく状況を探っていました。趙括が趙王に語った言葉や趙王が既に趙括を大将に任命したこと、吉日を選んで出征することを知ると、夜を通して咸陽に帰って報告します。 秦王は范雎と…

第九十八回 秦王が魏斉を要求し、長平で白起が趙卒を坑す(三)

*今回は『東周列国志』第九十八回その三です。 三日後、上党太守・馮亭の使者が趙に到着しました。趙王が書信を見るとこう書かれています「秦が韓を激しく攻めており、上党が秦に入ることになりました。しかし吏民は秦に附くことを願わず、趙に附くことを願…

第九十八回 秦王が魏斉を要求し、長平で白起が趙卒を坑す(二)

*今回は『東周列国志』第九十八回その二です。 趙王は魏斉を捕らえることができず、相国の虞卿も逃走したため、二人が一緒に去ったと判断しました。向かうのは韓か魏のはずです。四方に飛騎を送って追跡させました。 使者が魏の郊外に来た時、初めて魏斉が…

第九十八回 秦王が魏斉を要求し、長平で白起が趙卒を坑す(一)

第九十八回 平原を質にして秦王が魏斉を要求し、長平で敗って白起が趙卒を坑す (質平原秦王索魏斉 敗長平白起坑趙卒) *今回は『東周列国志』第九十八回その一です。 命を助けられた須賈は夜を通して大梁に逃げ帰り、魏王に謁見して范雎に命じられた言葉を…