2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

東漢時代265 桓帝(四十三) 桓帝の死と霊帝 167年(2)

今回は東漢桓帝永康元年です。桓帝時代が終わります。 [七(続き)] 『資治通鑑』からです。 以前、桓帝が詔書を発して鉤党(党人)を検挙させた時、郡国の上奏によって連座した者が、多い場所では百人を数えました。しかし平原相・史弼だけは誰も検挙・報告し…

東漢時代264 桓帝(四十二) 党人釈放 167年(1)

今回は東漢桓帝永康元年です。二回に分けます。 東漢桓帝永康元年 丁未 167年 六月に改元します。 [一] 『資治通鑑』からです。 春正月、東羌の先零が祋祤を包囲して雲陽を侵しました。 『資治通鑑』胡三省注によると、二県とも左馮翊に属します。 当煎諸種…

東漢時代263 桓帝(四十一) 大秦国王安敦 166年(6)

今回で東漢桓帝延熹九年が終わります。 [十四(続き)] 陳蕃が再び上書して桓帝を強く諫めました。 桓帝は上書の言葉が激切だったことを嫌い、陳蕃が辟召(招聘)した者が相応しくなかったという理由で策免しました。 『後漢書・孝桓帝紀』では秋七月に太尉…

東漢時代262 桓帝(四十) 第一次党錮事件 166年(5)

今回も東漢桓帝延熹九年の続きです。 [十三(続き)] 符節令(『資治通鑑』胡三省注によると、符節令は秩六百石で、符節台の率(長)となり、符節の事を担当しました。少府に属します)・汝南の人・蔡衍と議郎・劉瑜が成瑨と劉瓆を救うために上書を行いまし…

東漢時代261 桓帝(三十九) 襄楷の上書 166年(4)

今回も東漢桓帝延熹九年の続きです。 [十三(続き)]平原の人・襄楷が宮闕を訪ねて上書しました「臣が聞いたところでは、皇天は言を下さず、文象(天象)によって教えを設けます。臣が太微を窺い見たところ、天廷五帝の坐の中で金・火の罰星が光を揚げていまし…

東漢時代260 桓帝(三十八) 陳蕃の上書 166年(3)

今回も東漢桓帝延熹九年の続きです。 [十三(続き)] 太尉・陳蕃と司空・劉茂が共に桓帝を諫め、成瑨、劉瓆、翟超、黄浮等の罪を赦すように請いました。 『後漢書・陳王列伝』では「陳蕃と司徒・劉矩、司空・劉茂」が上書していますが、当時の司徒は胡広です…

東漢時代259 桓帝(三十七) 范滂 岑晊 166年(2)

今回は東漢桓帝延熹九年の続きです。 [十三] 『資治通鑑』からです。 桓帝は蠡吾侯だった頃、甘陵の人・周福から学問を授かりました。 そのため、即位してから周福を抜擢して尚書にしました。 当時、同郡の河南尹・房植も朝廷において名望がありました。 そ…

東漢時代258 桓帝(三十六) 荀爽 166年(1)

今回は東漢桓帝延熹九年です。六回に分けます。 東漢桓帝延熹九年 丙午 166年 [一] 『後漢書・孝桓帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月辛卯朔、日食がありました。 桓帝が詔を発して公卿、校尉や郡国に「至孝」の士を挙げさせました。 太常・趙典が推挙し…

東漢時代257 桓帝(三十五) 登竜門 165年(5)

今回で東漢桓帝延熹八年が終わります。 [二十五] 『後漢書・孝桓帝紀』からです。 勃海の妖賊・蓋登等が「太上皇帝」を称しました。玉印、珪(玉器)、璧、鉄券(皇帝が臣下に発布する証明書のようなもの。功臣を優待したり死罪を免除する等の約束や誓詞が書…

東漢時代256 桓帝(三十四) 王暢 165年(4)

今回も東漢桓帝延熹八年の続きです。 [十八] 『資治通鑑』からです。 閏月甲午(中華書局『白話資治通鑑』は「閏月初一日」としています。恐らく「閏五月」です)、南宮朔平署で火災がありました。 『資治通鑑』胡三省注によると、「朔平署」は「朔平司馬署…

東漢時代255 桓帝(三十三) 度尚の功罪 165年(3)

今回も東漢桓帝延熹八年の続きです。 [十七] 『後漢書・孝桓帝紀』と『資治通鑑』からです。 荊州の兵・朱蓋等が叛して桂陽賊・胡蘭等と共にまた桂陽を攻撃しました。 桂陽太守・任胤は城を棄てて逃走します。 賊衆は数万人に上りました。 朱蓋等は桂陽の郡…

東漢時代254 桓帝(三十二) 劉瑜 165年(2)

今回は東漢桓帝延熹八年の続きです。 [七] 『後漢書・孝桓帝紀』と『資治通鑑』からです。 桓帝は内寵(寵妃)が多く、宮女の数が五六千人に上り、駆役・従使(使用人・従者)はその倍もいました。 鄧皇后は尊位に頼って驕忌(驕慢で嫉妬深いこと)だったた…

東漢時代253 桓帝(三十一) 劉悝 165年(1)

今回は東漢桓帝延熹八年です。五回に分けます。 東漢桓帝延熹八年 乙巳 165年 [一] 『後漢書・孝桓帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、桓帝が中常侍・左悺を苦県に派遣して老子を祀りました。 『資治通鑑』胡三省注によると、老子は楚国苦県厲郷曲仁里…