2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧
今回は西漢成帝河平三年です。 西漢成帝河平三年 乙未 前26年 [一] 『資治通鑑』からです。 春正月、楚王・劉囂が来朝しました。 劉囂は宣帝の子で、成帝の叔父に当たります。 二月乙亥(十六日)、成帝が詔を発し、劉囂の素行が純茂(善美)なので特別に優…
今回は西漢成帝河平二年の続きです。 [六] 『資治通鑑』からです。 御史大夫・張忠が京兆尹・王尊の暴虐倨慢(驕慢)を弾劾しました。 王尊は罪に坐して免官されます。 しかし吏民の多くが王尊を惜しみ、湖(『資治通鑑』胡三省注によると、湖は県名で京兆に…
今回は西漢成帝河平二年です。二回に分けます。 西漢成帝河平二年 甲午 前27年 [一] 『漢書・成帝紀』からです。 春正月、沛郡の鉄官が鉄飛を鋳ました(鉄官冶鉄飛)。 『成帝紀』は「『五行志』に語(記述)がある」と書いています。 以下、『漢書・五行志上…
今回は西漢成帝河平元年です。 西漢成帝河平元年 癸巳 前28年 『資治通鑑』胡三省注によると、決壊した黄河の堤防を塞いで河を平定したため改元しました(下述します)。 [一] 『漢書・成帝紀』と『資治通鑑』からです。 春、杜欽が犍為の人・王延世を王鳳に推…
今回は西漢成帝建始四年の続きです。 [九] 『資治通鑑』からです。 南山の群盗・傰宗等、数百人が吏民の害になっていました。 成帝は詔を発して兵千人を動員し、傰宗等の駆逐・逮捕を命じまたが、一年余経っても捕えられません。 ある人が大将軍・王鳳に言い…
今回は西漢成帝建始四年です。二回に分けます。 西漢成帝建始四年 壬辰 前29年 [一] 『資治通鑑』からです。 春正月癸卯(二十六日)、隕石が亳(または「槀」)に四つ落ち、肥累に二つ落ちました。 槀も肥累も県名で真定王国に属します(武帝元鼎三年・前11…
今回は西漢成帝建始三年です。 西漢成帝建始三年 辛卯 前30年 [一] 『漢書・成帝紀』と『資治通鑑』からです。 春三月、天下の徒(囚人)を赦しました(大赦しました)。 孝弟(悌)・力田に爵二級を下賜しました。 租賦を納める能力がなく救済を受けている者…
今回は西漢成帝建始二年です。 西漢成帝建始二年 庚寅 前31年 [一] 『漢書・成帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月、雍の五畤と陳宝祠を廃しました。全て匡衡の進言によります。 『資治通鑑』胡三省注によると、秦が雍に四畤を造り、白帝、青帝、黄帝、赤…
今回は西漢成帝建始元年の続きです。 [九] 『漢書・成帝紀』と『資治通鑑』からです。 二月壬子、成帝が舅(母・王政君の兄弟)の諸吏・光禄大夫・関内侯・王崇を安成侯に封じました。 『漢書・外戚恩沢表』によると、王崇の諡号は共侯です。 『漢書・成帝紀…
今回は西漢成帝建始元年です。二回に分けます。 西漢成帝建始元年 己丑 前32年 [一] 『漢書・成帝紀』と『資治通鑑』からです。 春正月乙丑(初一日)、皇曾祖(皇帝の曾祖父)・悼考廟で火災がありました。 「悼考」は宣帝の父・劉進(史皇孫)を指します。劉…
西漢時代の目録の続きです。 西漢時代目録(上) 西漢時代目録(中) 西漢時代243 成帝(一) 成帝劉驁 西漢時代244 成帝(二) 石顕失脚 前32年(1) 西漢時代245 成帝(三) 外戚王氏 前32年(2) 西漢時代246 成帝(四) 杜欽 前31年 西漢時代247 成帝(五) 匡衡失脚 前30…
今回から西漢成帝の時代です。 孝成皇帝 元帝の太子で名を劉驁、字を太孫といいます。「驁」は良馬を意味します。 以下、『漢書・成帝紀』からです。 成帝の母は王皇后(王政君)で、元帝が太子だった頃、太子宮甲観画堂で劉驁を生みました(宣帝甘露三年・…
今回で元帝の時代が終わります。 [九] 『漢書・元帝紀』と『資治通鑑』からです。 元帝の病が重くなり、寝込んでしまいました。 傅昭儀と山陽王・劉康は常に元帝の左右にいましたが、皇后(王政君)と太子(劉驁)はほとんど謁見の機会がありません。 元帝の…
今回も西漢元帝竟寧元年の続きです。 [七] 『資治通鑑』からです。 中書令・石顕は以前、姉を甘延寿に嫁がせようとしましたが、甘延寿に断られました。 甘延寿が郅支単于を破って帰還することになった時、丞相や御史は甘延寿が矯制(皇帝の偽の命令を出すこ…
今回は西漢元帝竟寧元年の続きです。 [二] 帰還した呼韓邪単于は王昭君(王嬙。昭君は字)を寧胡閼氏と号しました。 『資治通鑑』胡三省注によると、「胡(匈奴)がこれを得て国が安寧になる」という意味です。 王昭君は一男を産みました。伊屠智牙師といい…
今回は西漢元帝竟寧元年です。四回に分けます。 西漢元帝竟寧元年 戊子 前33年 応劭(『漢書』の注者)によると、呼韓邪単于が辺塞を守ること(保塞)を願い、辺境が安寧を得たので、「竟寧」に改元しました。この場合、「竟」は「境」の意味になります。 し…